ビジネスはマイノリティを迎合しないけれども
嬉しいことがあったので
みなさんにだけ特別に教えてあげます。
得はしないけど
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東京にいる友達から連絡があって
珍しいなと思って電話をかけ直した
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僕の友達は芸術系の大学に行き
卒業制作として映画を撮っていました
そして僕はその映画に
大げさな言い方をすると「音楽を提供」したんです
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会話の内容を再現するとこんなカンジだったらしい
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僕の友達の後輩『先輩の映画観ました!』
僕の友達「ほー、どうだった?」
『ストーリーと表現がシンプルで理解しやすかったし、何より音楽がよかったです!』
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当時は僕も映画を制作していて、友達のものと比べると酷く劣るものの、準備にかなり心体を浪費していた
親友から作曲の依頼をされて、断る理由もないと安請け合いしたが、それを後悔するほどボロボロになってしまった
さらに、普通は映画音楽というと、制作の時点で作品と絡んでいく必要がある
なのに、当時の依頼は「既に撮影しちゃった素材」を元に、「ココは○○秒になるから尺考えて作ってね」みたいなムチャ振りだった
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安請け合いした僕が完全に悪いんだけど、めちゃくちゃ不満が募っていった
おまけに自分の技術も伴わないので、作業を進める事に疲弊した
さらにさらに初っ端に自分の観念と感性を否定されるところから始まったので「オイオイ、マジかよ」とも思った
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なんやかんやで制作は収束して、色んな悔しさが残るまま僕は自身の制作に移った
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それから何ヶ月が経とうとしても、たまに友達の映画のことを思い出しては、悔いた。
もうちょっと出来たなぁ、とか
甘ったれすぎたなぁ、とか。
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出来ることならやり直したかったけど、やり直したくない気持ちも同時にあった
だって苦痛だったから
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まさか親友にここまで心体をボロられるとは思っていなかったので、期待に応えられないとか、そういう部分でも悔しかった
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そんな矢先に友達は電話をくれました。
「後輩から話を聞いて、衝動的に電話をしました」とのことで
嬉しかった。
すげー嬉しかった。
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友達もきっと僕の色んな苦痛を判ってくれてるし、その上でわざわざ教えてくれたわけで
また余計に悔しい気持ちにもなった、もっとやれたのになー、と
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友達の映画を観た人の中で、「音」に関心を持った人は何人いたんだろう
友達の映画を観た人の中で、「音楽」に関心を持った人は何人いたんだろう
友達の映画を観た人の中で、「音楽がいいな」と思ってくれた人は何人いたんだろう
なぜその後輩は、わざわざ言葉にして監督に感想を伝えたんだろう
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僕がいま働いている業界、広告界でもそうですが
評価されるまでにはかなり時間がかかるし
結果として残る数はかなり絞られる
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今後はその結果をできるだけ多数にしていくのが僕のおしごとなんだけど
僕は正直、マイノリティーに対して働きかけを行いたい
「やせ細ってて、ショボくて、広がりがなくて、抽象的なんだけど、どこか暖かい」僕の音楽を評価してくれる少数の人たちに対して
ふわりふわりと優しい何かを投げつけていきたいものです
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以上です。
ご確認のほど、よろしくお願い致します。